EC事業者のストック型ビジネスへの転換をサポートし、業界NO.1の導入実績を誇る
テモナ株式会社 代表取締役社長 佐川隼人

ストックモデルの強化が事業の根幹。上場を機に、さらなる成長を図る

2017年4月6日、東証マザーズ上場を果たした『テモナ』。EC業界に変革をもたらす注目のベンチャー企業だ。創業者・経営者として、会社の成長を導いてきた同社代表取締役社長、佐川隼人氏は今回の上場の狙いをこう語る。

「利益をどう使っていくかで会社の価値観が決まります。私は世の中をストック型のビジネスに転換させるためのノウハウや仕組みを提供していくことが、自身のミッションであると完全に腹落ちしています。そのミッションをよりスピード感を持って、インパクトを与えていくにはどういう手段があるかを考え、IPOを選択しました」

当然ながら、上場によって数多くの取引先やパートナーから称賛の言葉が寄せられるとともに、信用力も格段にアップしたという。さらなるビジネスの拡大に向けて案件が次々に持ち掛けられており、狙い通りの結果となっている。

佐川隼人氏 インタビュー画像1

現状、『テモナ』は3つの事業を主力に展開している。第一に、健康食品や化粧品を取り扱うネットショップ事業者が、リピート通販を行うために必要なすべての仕組み(販売、顧客管理、決済、配送など)を揃えた基幹システム「たまごリピート」。圧倒的な先行者利益と充実した機能、性能、さらにはそれらを最大限に発揮するための操作技術を提供できることを強みに、今や1000社以上もの顧客が導入するなど、市場No.1の実績を誇っている。

第二が、「たまごサブスクリプション」である。システムは「たまごリピート」と同様だが、野菜、パン、スイーツなど売れ残れると廃棄を余儀なくされる商品にフォーカスしている点が特徴だ。廃棄コストを減少させるとともに、利益率の向上をサポートし、継続的な収益を実現していくサービスといえる。「ターゲットとなる分野は、ストックビジネス化への情報やノウハウも少ないだけに、『テモナ』がコンサルティングで入る領域が大きい」と佐川社長は、指摘する。

第三が、顧客の購買履歴や行動履歴をベースに、Webサイトの見せ方をパーソナライズするツール「ヒキアゲ―ル」だ。ビッグデータを解析して、一人ひとりに興味がある最適な画面を表示し、購買率を格段に高めている。

お客様のEC事業を成功に導くために、必要なエッセンスを惜しみなく提供

「いずれも、ベースにあるのは、『テモナ』が創業以来、顧客からの様々なリクエストに応えフィードバックを返したり、それらを実現したりと、9年間ずっとラリーを繰り返してきたという経験値であり、情報です。顧客と一緒に育ってきたというのがかなり大きいと言えます。コンサルティングセミナーや個別相談会、事業者同士のワークショップが活発なのも、顧客との強い絆があるからこそです」(佐川社長)

折しも、2017年度第2四半期の決算も発表されたが、売上・利益ともに引き続き好調だ。もともと、積み上げビジネスで、顧客も一貫して純増傾向にあるが、「まずは、良い形で折り返すことができた」と佐川社長は手応えを感じている。

佐川隼人氏インタビュー画像2

経営者として自問自答を繰り返すなか、理念の大切さに気付く

上場を無事果たしたばかりか、安定成長を続ける『テモナ』の佐川社長。周囲から見れば、サクセスストーリーの具現者の一人に映るが、実はここに至るまでには挫折を含め、さまざまなドラマがあったという。

「経営者になることを夢見て、幾度となく創業にチャレンジしました。『テモナ』は4度目の起業だったんです。沢山の失敗を経験したことで、経営に必要な胆力が身に付きました」

『テモナ』を創業した経緯は、前の会社でお付き合いのあったベンチャーの社長からの「もう一度やり直す気持ちがあるなら協力したい」というエール。その言葉を頼りに、レンタカーに家財道具を積み込み、友人と上京したところから始まった。創業当初は、佐川社長と社員2名。業務もシステムの受託開発だけを行っていた。

ただ、しばらくその事業を続けるなかで、「システムの受託開発は、いわゆる完全な労働集約のビジネス。手を止めると収益が一切入ってこない、レバレッジが効かないビジネス。このままこの会社をスケールしていくのは難しいのではと、すごくリスクを感じました」と佐川社長は振り返る。

ならば、どういう形がありえるのかと日々悩んでいた時に行き着いたキーワードが、「リピート」であり、「ストック型のビジネスモデル」。具体的には、自社サービスをクラウドで月額課金で提供し、ユーザーを増やしていくアイデアが浮かんだ。幸運だったのは、その構想をITで具現化する、運命的な出会いが訪れたことだ。

「サプリメントを販売されているお客様から、ECサイトを構築するチャンスをいただけたんです。そこで得たノウハウやシステムをベースに開発したのが『たまごリピート』でした」(佐川社長)

もちろん、最初から完璧なサービスであったわけではない。どうしたら、お客様のビジネスを“てもなく”する(=便利にする)ことができるかを追求し、改善を繰り返してきている。

「最大のターニングポイントは、2013年から2014年でした。『たまごリピート』が多くのお客様に利用され、会社も順風満帆の成長期に入った頃です。そのタイミングは、本当に好事魔多でした。どうすれば良いのかと自問自答してばかり。おかげで、自分の生涯を賭けてストックビジネスにコミットしていこうというところまで想いが醸成されましたし、強い決意を持って経営をすることができました。これがなかったら、上場ゴールになるリスクがありました」と佐川社長は振り返る。

上位顧客の攻略と食品領域の開拓が大きなポイント。積極的な投資を続ける

そんな佐川社長が、思い描く今後の展望が二つある。一つは、年商10億円以上の上位顧客の攻略。課題となるのは、顧客からの「システムをカスタマイズしたい」という要求にどう応えるかだ。カスタマイズを受け入れてしまうと再び労働集約ビジネスに逆戻りになってしまうだけに、いかに自分たちの利益体質を変えずに顧客のニーズを実現していくか。パートナーとのアライアンスも含めて検討を重ねている。

もう一つが、新たな市場の開拓だ。現在、『テモナ』の顧客の多くは健康食品の事業者。そこで培ってきたノウハウや仕組みをベースに、成長余地の大きな食品領域の支援をさらに広げていきたいと目論んでいる。

「直近では、『たまごリピートNext(ネクスト)』を開発中です。これは、その名の通り『たまごリピート』の性能を格段にアップさせ、新領域や売上規模の大きな事業者にも対応できるようになっています。この販売を皮切りに、新市場に向けて本格的に展開していきたいと考えています」と佐川社長は意気込みを語る。

それらをやり切り、最終的には日本一のECソリューションプロバイダになることを目指す『テモナ』。佐川社長の挑戦はまだまだ尽きない。

目標達成に向けて人材確保は不可欠。理念を共有できる方を求めたい

そうした事業戦略を推進していくためには、優秀な人材の確保が不可欠となるのは言うまでもない。「中心になるのは、新卒採用です。採用コストと得られる成果・利益のバランスを図りながら、一人でも多く確保したいものです。求めているのは、世の中をストックビジネス化させていくことに興味を持てる方、素直な方、ビジネスの勉強をしっかりできる方、初動の早い方。一緒になって沢山の会社を成長させていきたい」と佐川社長は呼びかけている。